絵を描く理由

自分は、幼い頃から絵を描くのが好きで、美術予備校、美術大学を経て、なりわいにならずとも、かなりの数の絵を描いてきた。
どうして絵を描くのか?自分でもあまり考えたことがない。影響を強く受けた作家が居るが、その作家の作品を見ていると、
ハートが熱くなり、自分も「描きたい」という衝動に駆られる。また、海外にも、ウィーンのフンデルトヴァッサーやエゴンシーレ、
ノルウェーのムンクなど、やはり、作品を見るとグッと込み上げてくる作品を描く作家が居る。この、「グッと込み上げてくる」
というのが大事で、それは「絵」に限らず、白人のブルースシンガー、ジャニスジョップリンのシャウトや、尾崎豊さんのロック
ンロールを聴くと、やはり「グッと込み上げてくる」ものがある。しかし、そのような表現者は、短命の人が多く、彼らは、太く短く、
爆発的に生きるロックンローラー的人生なのだろう。自分は、もう50歳も超えて、ジョンレノンより長く生きている。それだけの
時間を与えられながら、夭折に散った偉大な先輩の表現に並ぶだけのものができているのかと、自分に問いかけてしまう。自分が、
どうして絵を描くか?という話に戻ると、やはり、「絵」というものを「描く」ことによって、自分の生きている「証」がほしくて
「絵」を描くのだと思う。「グッとくる」瞬間を何度も味わいたくて、、。また、自分の表現により、鑑賞いただく方と、「グッと
くる何か」を共有したくて、、


2021年11月21日


加藤 K記