私の表現スタイル
私が、名古屋市南区に、アートギャラリーショップ「K.ArtMarket」を設立したのは、1993年に、
美大を卒業してから2年後の1995年6月4日であった。何かの高い志があったわけでもなく、
親から借りていた長屋の一部屋が、古い洋室になっており、遊びに訪れた友人が「ここ、
ショ
ップやギャラリーに向いていない?」という提案からであった。「なんとなく始めた」というのが
正直な
ところである。今でいう、リノベーションしたギャラリーの走りであったが、当時は
「リノ
ベーション」という言葉も知らずに、無我夢中で、古い民家を白いペンキで塗って、アートショッ
プ
「K.ArtMarket」は始まった。友人アーティストの協力もあり、K.ArtMarketは展開し始めた。
その後ギャラリースペースも作り、アルバイトをしながらの、週末ギャラリーショップは走り出した。
その後、名古屋の老舗ギャラリー、ウエストベスギャラリーkozukaさんにて二度、「K.ArtMarket
展」
をさせて頂いたり、東京東中野にあったギャラリーアッシュさんに、「K.ArtMarket展」を企
画.いただいたりして
、さまざまな皆さんのご協力のもとK.ArtMarketは成長していった。その後、
中部圏に多数のオルタナティブスペースが誕生し、名古屋を中心に、空前のインディーズアート
ブームなるものが巻き起こった。また、自分自身はギャラリー活動と同時に、作家活動も並行し
て
行い、当時、ウエストベスギャラリーkozukaさんで、何度か個展をさせて頂いた。自分の作品
世界
は、作家活動開始当初、自分の中のスターであった、大竹伸朗さんや、バスキアなどの
影響を受けながら、時に抽象的表現、時にコミックのような表現と、表現の模索を繰り返した。
現在は、抽象的表現がメインで、直感を頼りに絵画制作をしている。作品規模は、50号?100号
キャンバスのタブローや、全紙に書いたドローイングと言った感じで描いている。自分の自宅
スタジオで描ける大きさのマックスが、100号なので、それ以上の大きさの作品を作るというより、
内容を充実させることに力を入れている。冒頭に書いたアートショップギャラリーの名前は、現在
「K.Art Studio」となり、自分としては、このようなギャラリーショップ運営をしながらの作品創作
という、画廊オーナー兼作家というスタイル自体が自分流の表現だと思っている。
2020年 6月13日 加藤 K記