化身


僕は、画家という仕事をしているんだけれど、絵画とは、僕の「精神」と、絵の具などの「物質」が溶け合った
「精神物質」というものだと考えている。僕が、この次元の存在でなくなった後も、この次元に、僕の 作った
精神物質は存在し続けるわけで、その精神物質が、鑑賞者の心に何かの作用を及ぼすとしたら、結局、
僕の存在が、作品を通して生き続けるのだと考える。例えば、「モナリザ」を見て、現在の人が、心動かされる
としたら、ダビンチは、ある意味で、現在も生き続けているという事になる。絵画に限らず、優れた音楽、文学
などの芸術は、いつの時代も、創作者の化身として存在し続けるのだろう。



2018年 6月9日  加藤 K記