「BLACK&WHITE展」への考察
この宇宙の本質は「ズレ」にあると考える。「ズレ」がなければ、何も存在しない。
数学計算したフラクタル、美しい自然の形を計算することができる。フラクタルの
形は、自然界にたくさんある。植物にも、巻貝にも、波の浸食した地形にも、フラ
クタルは存在する。しかし、自然界のフラクタルには、数学で計算した完璧なフラ
クタルは存在しない。なぜなら、そこには、冒頭述べた「ズレ」があるからである。
嘘のない世界、理想の世界かもしれない。しかし、人間の歴史を見ても、この世に
「嘘」や「悪」のない時代はない。それは、「善」と「悪」は、この世界に相対的
に必要な要素だからである。残念ながら「善」だけでは、この世界は成り立たない。
男性と女性、陰と陽、光と闇、黒と白があるように。
この、二元論的二つの要素こそ、「ズレ」であり、宇宙が多様に存在する元である。
例えば、コンピューターも、現代社会、多様な活躍をしているが、根本的には、
「0」と「1」を複雑に計算したところからから成り立っている。言い換えれば、
「虚」と「実」から成り立っている。
この宇宙には、完璧な「円」も、「直線」も存在しない。なぜなら、この宇宙が、
根本的に「ズレ」からできているからである。
惑星は、たとえ恒星の周りを、完璧な円を描いて周回しても、その恒星自体移動し
ているので、結局惑星は、螺旋を描いて周回することになる。そして、その螺旋の
運動が、引力となって惑星上の生物に、多様な影響を与える。
地球の自転自体、うるう年が発生する等、完璧な回転ではない。
だから、この世界に「完璧に清らかな世界」もなければ「完全に穢れた世界」も存
在しない。
しかし、我々の生きる社会では、限りなく「善」に近く、限りなく「明」るく、で
きるだけ「ポジティブ」に生きるのが人の道であると思う。
企業にも「闇」の部分がある。どんな人にも「闇」の部分がある。しかし、企業や
人の評価は「闇」の部分「光」の部分を合わせた総合評価で判断すべきである。
「善と悪」「光と闇」「0と1」「男と女」「白と黒」、我々の住む この世界は、
こういった「ズレ」があるから面白いのかもしれない。
2018年 2月 加藤 K記