直感と思考

僕も、どちらかというと読書は苦手な方である。ただ、教養を付けなければと、無理して読んだり
しているが。横尾忠則さんも、基本的に読書はしない方だとのこと。横尾さんが言われるには、絵
を描くという行為は、直感・感覚的作業で、読書は思考・精神的作業で、水と油のようなもの、と
か。ブルースリーの名言「考えるな、感じろ!」じゃないけど、絵を描くのも、思考より直感を重
きを置く作業だと思う。僕にとって「絵を描く」という行為は、直感で何かの信号を受信して、そ
れを画面に「翻訳」する行為で、自分の中から何かを生み出す、というより、何かの信号を「通訳
」する行為だと思っている。だから、より「ラジオ」の感度を研ぎ澄まさねばと思っている。しか
しある画家の先輩は「直感だけでは絵はできないよ、思考も必要だ。その、直感と思考の間を行き
来するうちに「絵」は出来上がるのでは」と言われた。「直感」「思考」、僕の今後の制作作業の
課題の一つになりそうである。

 

2024年8月29日

加藤 K記