STRATA  

作家としてスタートして、はや20数年経つ。これまでの間に試行錯誤し、紆余曲折な作家人生で
あったことは言うに及ばない。昨日よりも今日、今日よりも明日、素晴らしい絵をと常に前を向
いてきた日々。最新作はいつも発展途上だ。40代最後のこの年に自分の辿ってきた道をふと振り
返る。まだまだやり残してきたことが山積していることに気付く。まだまだ道半ばであるが
Strata(地層)は今の自分を形容するにふさわしい言葉だろう。実は作家である傍ら、土木屋でも
あるのだが、山を切り開く際、発生するのが切土法面だ。しばしば切土法面の美しさに魅了される
地層を縦断的に眺めるのは意味深く、力強い。 そこで今回は、 過去を振り返りつつも遣り残して
きた課題に 立ち向かうことにした。これは自身の新たな未来の挑戦といえよう。