くうそう【空想】【空相】【空層】 

描いている対象は山の稜線、空との境界。 
移り変わる空の色や山の色。 
その輪郭や断面の形をなぞり、描く。 

それは、いつの日か歩いた縦走路から見た山の稜線と空。 
それとも、生まれ育った場所の風景や光景。 
過去に実際に見た景色を、思い出して描いているのか。 
潜在的な記憶に刻まれた風景や光景を、回想し描きとどめているのか。 

 

ところどころは点線や破線のようにもみえる。 
あるはずのない形をつなぎ合わせるもの、実体のない境界。 
それはこの先見るであろう光景、または見ることのできない光景を描き出そうしているのかも知れない。  

 

【空想】=現実にはあり得ない事、現実とは何ら関係のない事を、頭の中だけであれこれと思いめぐらすこと。 
【空相】=仏語。一切のものがすべて空であるという、その姿やありさま。 
【空層】=大気、空気の層 

 

 



 

 

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