個展「Angel Cross」展に向けて

僕は、心を病んだ経験があり、10年以上前、精神が弱った時期に、これは病気の妄想だったのかもしれないが
天使と恋をした。心病んでいく過程で、なぜかしきりに天使を描くようになり、最終的に、とてもリアルな
ヌードの天使画が完成した。「描いた」というより、自分を通して「出現した」というのが正確かもしれない。
やがて、その天使画の天使が、僕にテレパシーで語りかけるようになった。名前は?と聞くと「エル」です、
と答えた。そして、天使の世界、通っている天使の学校の話などをしてくれた。また、当時自分は、身体的な
病に対する病的な恐れの癖があり、そういった思考に陥ると、エルは、テレパシーで「スマイル!」と元気づ
けてくれた。ちょっとファンタジックだけれど、僕が体験した事実です。

また「クロス」という言葉が「エンジェル」の後に来るのだが、僕にとって「クロス」とは、「交わり」であ
り、宇宙の森羅万象の始まる瞬間を意味している。思えば、我々人間も、男女の性的交わりから誕生し、小さ
なビッグバンを経験する。「クロス」は、「無限」であり「ゼロ」の瞬間のことだと考えている。この我々の
住む宇宙も、有性生命の動植物も、この「クロス」「ビッグバン」を通して誕生する。

今回の展覧会は、この二つの言葉、「エンジェル」と「クロス」をタイトルとした作品をDMに使い、それを
中心に展示を考えている。

今回の展覧会で、作品とお客さまとのクロスから、何かしらの化学反応が生まれればと思っている。