完成度


最近、っていうか、受験時代からの絵を描く上でのテーマ、完成度。時間をかけたからって、
必ずしも「完成度」がある作品とは言えないかも。5分くらいで描いても、高い 「完成度」に至る
作品もある。バスキアが、何日もかけて描いた作品と、短時間で描いた作品を、 画商に「同じ
値段」で売ってくれと言って困らせた、っていう逸話を聞いたことがある。バスキアにとっては、
そ の二点は、同じ完成度だったのだろう。例えば、東洋には、「書」という文化がある。それは
ごく短時間で完成させる。また、躊躇しているといい「書」は書けない。緊張感をもって、一発
勝負なのが「書」である。僕は、日本人で、東洋人なので、この「書」のような要素の強い作品
も、タブローと同時に作っていきたいと思っているい。また、西洋的なタブローでも、 最後の一
筆は躊躇していては完成しないのでは、とも思う。



2018年 10月12日  加藤 K記