陰翳禮讚


「そんな暗い顔して、」とか「ブラック企業」とか「腹黒い」とか、とにかく、「黒」「闇」は、
良い意味には表現されないのが現代である。では、「黒」は悪か?清志郎さんは、「現代はまだ
夜明け前だ、光は見えない」と歌った。もしかしたら、現代は、「暗い」夜の時代なのかもしれ
ない。「光」や「ポジティブさ」や「明るい」ことが善とされ、求められる。もし、時代の夜が
明け、昼の光の時代になったら、「闇」「黒いこと」「ネガティブ」がクールで、控えめで、善
とされる時代が来るのかも。谷崎潤一郎の「陰翳禮讚」のような、「陰」に価値を置く時代。
陰陽、二元論、今は、陰極まり陽と化す螺旋の頂点に向かう直前の瞬間の時代なのかもしれない。

2023年6月30日

加藤 K記