右曲がりの直線

2023 年現在、自分の抽象画作品を振り返ると、「L の字」を逆にした直線が多いことに気が付く。
ちょうど“「”という形である。これは、自分のドローイングストロークが、右利きで描かれている
というのが大きな要因に思う 。ちょうど、草が生え、カクっと右にまがるような感じ。

また、左曲がりの直線も、振り返ると、見受けられるが、やはり右曲がりが圧倒的に多い。なぜ、
この形態が出現したのか、はっきりした理由はないが、ある時期から、この“「”という形の直線
が、自分の抽象画にしきりに登場する。インドでは、右手が「浄」で、左手が「不浄」という考
え方があり、カレーやナンを食すときは、必ず右手で口に運ぶ習慣があると聴いた。英語でも、
右は「RIGHT」と表し、「正しい」とも訳せる。自分も右利きで、このような曲がり方のストロ
ークになるのだが、決して「左利き」の人が「正しくない」と言っているわけではない。実は、
自分の父親も、画家で、ある時期「L 字方式」シリーズというシルクスクリーンの作品を、かなり
の期間追求していた。いわば「L 字」二代目、といったところだろうか?また、インターネット
で公開している自伝小説に、自分と恋した「天使」の名前が「エル」で、こじつけになるかもしれ
ないが、自分にとって「L」という文字は、なじみ深い文字、形である。

今後、暫くは、この“「”という形に拘り、制作していくつもりだが、自分の中で、この形が展開
して、次なる造形に入るのか、あくまで、この形に拘り、画家生涯、一生の形、テーマとなるか
は、まだ未知数だが、創作の火を絶やさず、創造の旅を続けていきたいと思っている。

 


 


2023年6月6日

加藤 K記