障害と創造

「障害と創造」というテーマの美術評論誌を読んでいる。考えれば、ゴッホもムンクも草間弥生も皆、
精神障害を持ったアーティストである。障害のあるアーティストや芸術家は、人間の根源的普遍な領
域に踏み入って表現をするアーティストも多い。だから、多くの人に共感されたり、評価されたりす
る。これは、アートに限らず、ロックミュージシャンも、こういったところがあり、そういった領域
に踏み込み表現し、結局麻薬中毒や精神障害を負ってしまうアーティストも多い。昔、ブルースミュ
ージシャンをモチーフにした漫画を読んだことがあるが、有名な逸話、ブルースシンガー、ロバート
・ジョンソンが「クロスロード」で、悪魔に魂を売ることと引き換えに、非常に優れたギター表現力
を得て、大勢の人を感動させ人気を博す。しかし、魂を売ってしまったロックンローラーの末路は悲
しい、という内容の漫画だった。映画にもなったとか。「障害と創造」というタイトルを見て、ふと
連想した。優れた表現とは、ギリギリの領域を行きつ戻りつする命懸けなものなのかもしれない。

 

2022年11月24日

加藤 K記