夢

僕は、橋の上から、川の流れを観ていた。
何気なく観ていると、一匹の鯉が下流から泳いで来るのがみえた。
白と赤のコントラストの美しい鯉だ。
しばらく観察していると、その鯉がある物を追って泳いでいるのに気がついた。
それは、一匹のザリガニだった。
ザリガニも必死に逃げているのだが、鯉の速さには、どうしても勝てないようだ。
次の瞬間、鯉がザリガニの右脇にかぶりついた。
もだえ逃げるザリガニ。
しかし、どうしても、鯉の攻撃から逃げることができない。
しばらく、闘いが続いた後、ザリガニの右側は、鯉の攻撃により、致命的な、傷を
負わされる。

その時である。
僕の両脇が、鋭い何かに後ろから捕えられるのを感じたのは。
思わず振り返るえると、それは、鳩と烏の中間の様な、大きさは、
鷲か鷹くらいの鳥だった。
そして、自分が、フワリと舞い上がるのを感じた。
と同時に、背中に激しい痛みを覚えた。
鳥が、くちばしで、僕の背中をグイグイ押すのである。
それが、何分続いただろう。
激しく悶える中、不思議に、あることが僕の頭をよぎった。
何分か前、自分が観ていたザリガニと鯉のことだ。

その時である、
夢から覚めたのは……。